トラック積載型クレーンの事故事例集 
 トラックの荷台に小型のクレーンを積載した「トラック積載型クレーン」(俗称ユニック車)は「小型移動式クレーン技能講習」を修了すれば手軽に操作出来るため、事故が頻発しています。
 特に、ブームの下げ忘れによる電線・鉄道架線の引っ掛けは社会への影響も大きいので注意が必要です。
2016年(平成28年)
4/23 架線引っ掛け 栃木県那須塩原市 中型トラック(ユニック車)はクレーンのアームを下げ忘れたままJR宇都宮線の踏切に進入。架線と接触し、一部を損壊。約4時間に渡って列車上下18本が運休し、約3000人の足へ影響が出た。
2013年(平成25年)
5/21 横転 山梨県勝沼市 共同墓地の改修作業で横転石材などを運ぶ小型クレーン車を作業員4人が横に付くなどして移動させていたところ、クレーン車がバランスを崩して横転。3人は避けようとして転倒し、斜面から落ちるなどしたという
2011年(平成23年)
3/7 接触 大分県大分市 国道で、中型トラック(ユニック車)が荷台のクレーンを上げたまま走行。歩道橋にクレーンが引っかかり、前輪を上げた状態で立ち往生した
2010年(平成22年)
6/25 転倒 栃木県鹿沼市

県道拡幅工事現場で、金網(重さ約1トン)をつり上げていたところ、車両積載型クレーンが横転し、クレーンを操作していた作業員がトラックとガードレールの間に挟まれ、死亡した。また、近くで作業をしていた作業員にはずみで落下物があたり、胸や腰などを打つ重傷を負った。

6/22 架線引っ掛け 札幌市中央区 市道交差点で、走行中の車両積載型クレーンのブームが、地上から約5メートルの位置にある路面電車の架線に引っかかり、一部を切断した。架線がたわんで運行不能となった。
2009年(平成21年)
12/4 架線引っ掛け 新潟市秋葉区 土木会社のトラック積載型クレーンがブームを下げずに踏切を通過したため、JR信越線の下り線の架線と接触し切断。上下計17本が運休したほか、特急と普通計22本が最大約3時間半遅れ、通勤通学客ら約9800人に影響が出た。
10/12 転倒 埼玉県深谷市 火葬場建設現場で、作業を終えた車両積載型トラックがブームを伸ばしたままアウトリガーを格納し転倒。近くにいた作業員が下敷きになり死亡。
9/11 転倒 岡山市中区 住宅建築現場で、木材をおろしていたトラック積載型クレーンが転倒。操作していた運転手が腰などを強く打つけがを負った。ブームは長さ約7メートル。付近民家などに被害なし。
8/27 架線引っ掛け 大阪府門真市 寺院の改修現場から作業を終えたトラック積載型クレーンが市道に出ようとしたところ高さ約5メートルのブームが電線に接触、電柱3本が傾いた。、周辺の数世帯が停電。けが人なし。
8/6 架線引っ掛け 京都市伏見区 市道で、トラック積載型クレーンの先端部分が、高さ約15mの電線に引っかかり、歩道の電柱2本が根本から折れ、市道上に倒れた。ケガ人なし。
8/5 転倒 北海道寿都町 河川維持工事のため、トラック積載型クレーンで荷台からリモコン操作で小型ショベル車を降ろす作業をしていたトラックがバランスを崩し横転。運転手がトラックと鉄製安全柵に挟まれ死亡。
5/28 引っ掛け 大分県大分市 県道交差点でブームを下げ忘れたトラック積載型クレーンが信号に接触し破損。信号機とケーブルでつながっていた車両感知器の支柱も傾いた。ケガ人なし、2時間交通規制
5/26 架線引っ掛け 香川県高松市 工事現場で資材を積み込んだままブームを下げ忘れたトラック積載型クレーンが、琴平線の踏み切りで架線を切断。最大5時間ダイヤが乱れ1万5千人に影響。
4/23 転倒 神奈川県小田原市 資材置き場で、トラック積載型クレーンが重さ約1トンの外壁用の鉄板の荷降ろし作業をしていたところ、バランスを崩し、横転した。運転手の右足が下敷きになり、重傷を負った。
2008年(平成20年)
12/19 架線引っ掛け 新潟県十日町市 9:30頃、現場で作業したトラック積載型クレーンがブームを上げたまま会社に戻る途中、国道の高さ10m位にある電線にブームを引っ掛け高校敷地内の電柱を折り、高校と付近1883戸が停電。
10/9 架線引っ掛け 島根県安来市 10:50頃、トラック積載型クレーンがブームを上げたまま走行しJR山陽線の信号ケーブル(高さ5.6m)に接触。上下線4本が運休、13本が部分運休、約1300人に影響が出た。
10/8 転倒 埼玉県菖蒲町 圏央道の足場設置工事をしていたトラック積載型クレーンが転倒。ブームの先に吊るしたゴンドラに乗っていた作業員2人が5m下に投げ出され、1人重体、1人重傷。地面がぬかるんでいたことが原因か?
9/18 転倒 鹿児島県奄美市 8:10頃、市道脇で丸太の積み込みをしていたトラック積載型クレーンが傾き、近くにいた作業員がフェンスとの間に挟まれ死亡。地盤が緩んだためと見られる。
7/1 転倒 東京都世田谷区 戸建て新築現場で1.8tの外壁資材を荷台から降ろしていた際に転倒。向かいのマンションに倒れかかった。
5/18 架線引っ掛け 神奈川県平塚市 トラック積載型クレーンがブームを下げ忘れ、約6mの高さの状態のまま車庫から国道の交差点に進入し、電線に引っ掛け電柱1本と信号機3本を倒した。周辺約800mが8時間通行止め。
4/16 接触 名古屋市中区 トラック積載型クレーンがブームを上げたまま走行しJR中央線の高架橋(高さ4.9m)に接触。点検のため約30分間運転を見合わせ普通列車3本が運休。約6700人に影響が出た。
3/22 転倒落下 宮崎県日向市 荷台から川にレジャー用小型船を降ろそうとしたところ横転しそのまま川に落下。横で操作していた男性も巻き込まれ転落し死亡。アウトリガの張り出し不良か?
1/17 荷の落下 札幌市白石区

トラック積載型クレーンをリモコンで操作しながら油圧ポンプ(重さ約三トン、高さ二・二メートル、幅二メートル)をトラックの荷台に積み込む作業中、つり上げたポンプの近くにいたところ、ワイヤ四本が突然切れ、下敷きになり死亡。

2007年(平成19年)
12/27 架線引っ掛け 新潟市西区 自動販売機販売管理会社のクレーン付きトラックが、作業を終えた後、ガソリンスタンドに行こうとして、クレーンのブームを上げたまま走行し、NTT東日本の電話線4本と有線放送の光ケーブルを切断した。約120回線が使えなくなり、電話が不通になった。
12/19 架線引っ掛け 三重県四日市市 JR関西本線の踏切で、ブームを上げたまま走行していたとみられるクレーン車が、高さ約4.5m付近に設置された架線を引っ掛け、架線は約150mに渡って外れ、同線は約3時間に渡ってストップ
11/1 荷の落下 東京都八王子市 新築工事現場で作業員2人がトラック積載型クレーンで荷台から1束700kgの木材を吊り上げたところ、トラックが傾き、荷台の残りの木材が落下し、作業員を直撃、死亡。
8/22 落雷 韓国晋州市 トンネル工事現場で11t荷役クレーン車(朝鮮日報原文のまま。トラック積載型クレーン?)の荷台で作業員が雨宿りをしていたところ落雷で1人死亡、5人重軽傷。運転席にいたクレーン運転士は被害なし。
7/19 接触 大阪府交野市 JR線の架道橋を通過する際、上げたままのブームが接触。線路設備点検のため約1時間にわたり上下線18本が運休。
6/7 架線引っ掛け 長崎県諫早市 県道をブームを約6.5m伸ばしたままトラック積載型クレーンが走行し、高さ5mの電線を引っ掛け横転。2時間通行止め。
6/5 転倒 小田原市早川 停泊中の漁船に魚網を積み込んでいた積載型クレーンがバランスを崩し転倒。近くにいた男性が下敷きになり死亡。
6/5 接触 東京都練馬区 環状7号線外回り豊玉上の歩道橋に積載型クレーンのブームが激突し、荷台のプレハブハウスが落下
5/11 架線引っ掛け 滋賀県草津市 樹木伐採作業後、県道を走行していたトラック積載型クレーンがブームを下げ忘れ、信号制御用の電線を引っ掛けた。垂れ下がった電線に車2台が接触。
5/8 架線引っ掛け 滋賀県草津市 県道でアームを下げ忘れたままクレーン付きトラックが電線に接触したまま走行し、これにつながる信号柱1本が折れ曲がり、垂れ下がった電線などにクルマ2台が接触したがケガ人は無かった
4/9 転落
横浜市神奈川区 型枠工事のため木材を運んでいた積載型クレーンが、高さ8.2メートルのがけから転落。作業員が両足骨折。
3/27 架線引っ掛け
さいたま市見沼区 積載型クレーンが作業現場からブームを下げ忘れ市道を150m走行し高さ約5mのところにあった電話線6本を切断。241回線が一時不通となった。
3/25 接触
東京都港区 信号機の標識の取付け作業を行っていた積載型クレーンが、8.8m上を走る東京モノレールの先頭車両にブームが当たり、復旧に約5時間、上下線130本が運休し約3万人に影響。
3/12 架線引っ掛け
兵庫県養父市 積載型クレーンがブームを下げ忘れたままJR山陰線八鹿-江原間の踏切を通過し架線に接触、信号制御などの通信線が架かる電柱二本が折れた。
2/26 架線引っ掛け
富山県南砺市 造園会社のクレーン付トラックが会社からブームを下げ忘れたまま県道を走行し、電柱の支線を引っ掛けて垂れ下がった。そこに普通トラックが通り、その支線を引っ掛け電柱が倒れ近くに住む男性が下敷きとなり死亡
1/30 架線引っ掛け
愛知県稲沢市 クレーン付トラックが現場から会社へ帰る際、ブームを高さ5.5m上げたまま走行し、道路をまたぐ信号ケーブルに引っかかり、信号柱2本が倒れた。そのうち1本が乗用車を直撃しケガ。
2006年(平成18年)
10/6 架線引っ掛け
千葉県佐倉市 京成線踏切で、高さ5mにあった上下線2本の架線を小型クレーン付トラックがブームで切断し、都心と成田を結ぶスカイライナーも運休、6時間後に全線復旧。原因は近くで作業をした後、ブームを下げ忘れ走行したため。
7月 架線引っ掛け
埼玉県深谷市 JR高崎線、岡部〜本庄の踏切でクレーン付きのトラックが架線を切断し、大宮と高崎の間で上下線とも2時間半余りにわたって運転出来なくなった。
7月 架線引っ掛け
香川県善通寺市 JR土讃線でクレーン付きのトラックが踏切り内の電線をひっかけた
6月 架線引っ掛け
福岡県飯塚市 JR筑豊線・天道〜桂川駅間の踏切に、積載型トラッククレーン車がブームを上げたまま進入し、高さ約4.5mに張られた架線と接触した。運転手は車から下り、ブームを操作しようとし、架線から伝わった電流(交流2万ボルト)に感電。送電が約4時間に渡ってストップした。
2005年(平成17年)
11月 転倒
高知県 別のトラックの荷台にあった砕石の入ったシートモッコ(重量510kg)を降ろすため、被災者は積載型トラッククレーン(つり上げ荷重2.8t)左側方で操作していたところ、クレーンが転倒し、近くにあった木とクレーン助手席のドアの間にはさまれ、死亡した。