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クレーン等安全規則(昭和47年9月30日労働省令第34号)Safety Ordinance For Cranes


移動式クレーン(第3章)と玉掛(第8章)に関わる条文を抜粋しています。
条文中の漢数字は読みやすいように算用数字に改めてあります。


第1章 総則

  • 第1条(定義)
    • この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
      一 移動式クレーン 労働安全衛生法施行令(昭和47年政令第318号。以下「令」という。)第1条第8号の移動式クレーンをいう。
      二 建設用リフト 令第1条第10号の建設用リフトをいう。
      三 簡易リフト 令第1条第9号の簡易リフトをいう。
      四 つり上げ荷重 令第10条のつり上げ荷重をいう。
      五 積載荷重 令第12条第1項第6号の積載荷重をいう。
      六 定格荷重 クレーン(移動式クレーンを除く。以下同じ。)でジブを有しないもの又はデリツクでブームを有しないものにあつては、つり上げ荷重から、クレーンでジブを有するもの(以下「ジブクレーン」という。)、移動式クレーン又はデリツクでブームを有するものにあつては、その構造及び材料並びにジブ若しくはブームの傾斜角及び長さ又はジブの上におけるトロリの位置に応じて負荷させることができる最大の荷重から、それぞれフツク、グラブバケツト等のつり具の重量に相当する荷重を控除した荷重をいう。
      七 定格速度 クレーン、移動式クレーン又はデリツクにあつては、これに定格荷重に相当する荷重の荷をつつて、つり上げ、走行、旋回、トロリの横行等の作動を行なう場合のそれぞれの最高の速度を、エレベーター、建設用リフト又は簡易リフトにあつては、搬器に積載荷重に相当する荷重の荷をのせて上昇させる場合の最高の速度をいう。
  • 第2条(適用の除外)
    • この省令は、次の各号に掲げるクレーン、移動式クレーン、デリック、エレベーター、建設用リフト又は簡易リフトについては、適用しない。
      一 クレーン、移動式クレーン又はデリツクで、つり上げ荷重が0.5トン未満のもの
      二 エレベーター、建設用リフト又は簡易リフトで、積載荷重が0.25トン未満のもの
      三 積載荷重が0.25トン以上の建設用リフトで、ガイドレール(昇降路を有するものにあつては、昇降路)の高さが10メートル未満のもの
      四 せり上げ装置、労働基準法(昭和22年法律第四十九号)別表第1第1号から第5号までに掲げる事業又は事務所以外の事業又は事務所に設置されるエレベーター、船舶安全法(昭和8年法律第11号)の適用を受ける船舶に用いられるエレベーター及び主として一般公衆の用に供されるエレベーター


第3章 移動式クレーン


第1節 製造及び設置

  • 第53条(製造許可)
    • 移動式クレーン(令第12条第一項第4号の移動式クレーンに限る。以下本条から第61条まで、第63条及び第64条並びにこの章第四節及び第五節において同じ。)を製造しようとする者は、その製造しようとする移動式クレーンについて、あらかじめ、所轄都道府県労働局長の許可を受けなければならない。ただし、既に当該許可を受けている移動式クレーンと型式が同一である移動式クレーン(次条において「許可型式移動式クレーン」という。)については、この限りでない。
    • 2 前項の許可を受けようとする者は、移動式クレーン製造許可申請書(様式第1号)に移動式クレーンの組立図及び次の事項を記載した書面を添えて、所轄都道府県労働局長に提出しなければならない。
      一 強度計算の基準
      二 製造の過程において行なう検査のための設備の概要
      三 主任設計者及び工作責任者の氏名及び経歴の概要
  • 第54条(検査設備などの変更報告)
    • 前条第1項の許可を受けた者は、当該許可に係る移動式クレーン又は許可型式移動式クレーンを製造する場合において、同条第2項第2号の設備又は同項第3号の主任設計者若しくは工作責任者を変更したときは、遅滞なく、所轄都道府県労働局長に報告しなければならない。
  • 第55条(製造検査)
    • 移動式クレーンを製造した者は、法第38条第一項の規定により、当該移動式クレーンについて、所轄都道府県労働局長の検査を受けなければならない。
    • 2 前項の規定による検査(以下この節において「製造検査」という。)においては、移動式クレーンの各部分の構造及び機能について点検を行なうほか、荷重試験及び安定度試験を行なうものとする。
    • 3 前項の荷重試験は、移動式クレーンに定格荷重の1.25倍に相当する荷重(定格荷重が200トンをこえる場合は、定格荷重に50トンを加えた荷重)の荷をつつて、つり上げ、旋回、走行等の作動を行なうものとする。
    • 4 第2項の安定度試験は、移動式クレーンに定格荷重の1.27倍に相当する荷重の荷をつつて、当該移動式クレーンの安定に関し最も不利な条件で地切りすることにより行なうものとする。
    • 5 製造検査を受けようとする者は、移動式クレーン製造検査申請書(様式第15号)に移動式クレーン明細書(様式第16号)、移動式クレーンの組立図及び別表の上欄に掲げる移動式クレーンの種類に応じてそれぞれ同表の下欄に掲げる構造部分の強度計算書を添えて、所轄都道府県労働局長に提出しなければならない。この場合において、当該検査を受けようとする移動式クレーンが既に製造検査に合格している移動式クレーンと寸法及びつり上げ荷重が同一であるときは、当該組立図及び強度計算書の添付を省略することができる。
    • 6 所轄都道府県労働局長は、製造検査に合格した移動式クレーンに様式第17号による刻印を押し、かつ、その移動式クレーン明細書に様式第18号による製造検査済の印を押して前項の規定により申請書を提出した者に交付するものとする。
  • 第56条(製造検査を受ける場合の措置)
    • 製造検査を受ける者は、当該検査を受ける移動式クレーンについて、次の事項を行なわなければならない。
      一 検査しやすい位置に移すこと。
      二 荷重試験及び安定度試験のための荷及び玉掛用具を準備すること。
    • 2 所轄都道府県労働局長は、製造検査のために必要があると認めるときは、当該検査に係る移動式クレーンについて、次の事項を当該検査を受ける者に命ずることができる。
      一 安全装置を分解すること。
      二 塗装の一部をはがすこと。
      三 リベツトを抜き出し、又は部材の一部に穴をあけること。
      四 ワイヤロープの一部を切断すること。
      五 前各号に掲げる事項のほか、当該検査のため必要と認める事項
    • 3 製造検査を受ける者は、当該検査に立ち会わなければならない。
  • 第57条(使用検査)
    • 次の者は、法第38条第一項の規定により、当該移動式クレーンについて、都道府県労働局長の検査を受けなければならない。
      一 移動式クレーンを輸入した者
      二 製造検査又はこの項若しくは次項の検査(以下この節において「使用検査」という。)を受けた後設置しないで2年以上(設置しない期間の保管状況が良好であると都道府県労働局長が認めた移動式クレーンについては3年以上)経過した移動式クレーンを設置しようとする者
      三 使用を廃止した移動式クレーンを再び設置し、又は使用しようとする者
    • 2 外国において移動式クレーンを製造した者は、法第38条第2項の規定により、当該移動式クレーンについて都道府県労働局長の検査を受けることができる。当該検査が行われた場合においては、当該移動式クレーンを輸入した者については、前項の規定は、適用しない。
    • 3 第55条第2項から第4項までの規定は、使用検査について準用する。
    • 4 使用検査を受けようとする者は、移動式クレーン使用検査申請書(様式第19号)に移動式クレーン明細書、移動式クレーンの組立図及び第55条第5項の強度計算書を添えて、都道府県労働局長に提出しなければならない。
    • 5 移動式クレーンを輸入し、又は外国において製造した者が使用検査を受けようとするときは、前項の申請書に当該申請に係る移動式クレーンの構造が法第37条第二項の厚生労働大臣の定める基準(移動式クレーンの構造に係る部分に限る。)に適合していることを厚生労働大臣が指定する者(外国に住所を有するものに限る。)が明らかにする書面を添付することができる。
    • 6 都道府県労働局長は、使用検査に合格した移動式クレーンに様式第17号による刻印を押し、かつ、その移動式クレーン明細書に様式第20号による使用検査済の印を押して第四項の規定により申請書を提出した者に交付するものとする。
  • 第58条(使用検査を受ける場合の措置)
    • 第56条の規定は、使用検査を受ける場合について準用する。この場合において、同条第2項中「所轄都道府県労働局長」とあるのは、「都道府県労働局長」と読み替えるものとする。
  • 第59条(移動式クレーン検査証
    • 所轄都道府県労働局長又は都道府県労働局長は、それぞれ製造検査又は使用検査に合格した移動式クレーンについて、それぞれ第55条第5項又は第57条第4項の規定により申請書を提出した者に対し、移動式クレーン検査証(様式第21号)を交付するものとする。
    • 2 移動式クレーンを設置している者は、移動式クレーン検査証を滅失し又は損傷したときは、移動式クレーン検査証再交付申請書(様式第八号)に次の書面を添えて、所轄労働基準監督署長を経由し移動式クレーン検査証の交付を受けた都道府県労働局長に提出し、再交付を受けなければならない。
      一 移動式クレーン検査証を滅失したときは、その旨を明らかにする書面
      二 移動式クレーン検査証を損傷したときは、当該移動式クレーン検査証
    • 3 移動式クレーンを設置している者に異動があつたときは、移動式クレーンを設置している者は、当該異動後10日以内に、移動式クレーン検査証書替申請書(様式第8号)に移動式クレーン検査証を添えて、所轄労働基準監督署長を経由し移動式クレーン検査証の交付を受けた都道府県労働局長に提出し、書替えを受けなければならない。
  • 第60条(検査証の有効期限)
    • 移動式クレーン検査証の有効期間は、2年とする。ただし、製造検査又は使用検査の結果により当該期間を2年未満とすることができる。
    • 2 前項の規定にかかわらず、製造検査又は使用検査を受けた後設置されていない移動式クレーンであつて、その間の保管状況が良好であると都道府県労働局長が認めたものについては、当該移動式クレーンの検査証の有効期間を製造検査又は使用検査の日から起算して3年を超えず、かつ、当該移動式クレーンを設置した日から起算して2年を超えない範囲内で延長することができる。
  • 第61条(設置報告書)
    • 移動式クレーンを設置しようとする事業者は、あらかじめ、移動式クレーン設置報告書(様式第九号)に移動式クレーン明細書(製造検査済又は使用検査済の印を押したもの)及び移動式クレーン検査証を添えて、所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。ただし、認定を受けた事業者については、この限りでない。移動式クレーンを設置しようとする事業者は、あらかじめ、移動式クレーン設置報告書(様式第9号)に移動式クレーン明細書(製造検査済又は使用検査済の印を押したもの)及び移動式クレーン検査証を添えて、所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。ただし、認定を受けた事業者については、この限りでない。
  • 第62条(荷重試験)
    • 事業者は、令第13条第3項第15号の移動式クレーンを設置したときは、当該移動式クレーンについて、第55条第3項の荷重試験及び同条第4項の安定度試験を行なわなければならない。

第2節 使用及び就業

  • 第63条(検査証の備付け)
    • 事業者は、移動式クレーンを用いて作業を行なうときは、当該移動式クレーンに、その移動式クレーン検査証を備え付けておかなければならない。
  • 第64条(使用の制限)
    • 事業者は、移動式クレーンについては、厚生労働大臣の定める基準(移動式クレーンの構造に係る部分に限る。)に適合するものでなければ使用してはならない。
  • 第64条の2(設計基準とされた負荷条件)
    • 事業者は、移動式クレーンを使用するときは、当該移動式クレーンの構造部分を構成する鋼材等の変形、折損等を防止するため、当該移動式クレーンの設計の基準とされた負荷条件に留意するものとする。
  • 第65条(巻過防止装置の調整)
    • 事業者は、移動式クレーンの巻過防止装置については、フツク、グラブバケツト等のつり具の上面又は当該つり具の巻上げ用シーブの上面とジブの先端のシーブその他当該上面が接触するおそれのある物(傾斜したジブを除く。)の下面との間隔が0.25メートル以上(直働式の巻過防止装置にあつては、0.05メートル以上)となるように調整しておかなければならない。
  • 第66条(安全弁の調整)
    • 事業者は、水圧又は油圧を動力として用いる移動式クレーンの当該水圧又は油圧の過度の昇圧を防止するための安全弁については、最大の定格荷重に相当する荷重をかけたときの水圧又は油圧に相当する圧力以下で作用するように調整しておかなければならない。ただし、第62条の規定により荷重試験又は安定度試験を行なう場合において、これらの場合における水圧又は油圧に相当する圧力で作用するように調整するときは、この限りでない。
  • 第66条の2(作業の方法等の決定等)
    • 事業者は、移動式クレーンを用いて作業を行うときは、移動式クレーンの転倒等による労働者の危険を防止するため、あらかじめ、当該作業に係る場所の広さ、地形及び地質の状態、運搬しようとする荷の重量、使用する移動式クレーンの種類及び能力等を考慮して、次の事項を定めなければならない。
      一 移動式クレーンによる作業の方法
      二 移動式クレーンの転倒を防止するための方法
      三 移動式クレーンによる作業に係る労働者の配置及び指揮の系統
    • 2 事業者は、前項各号の事項を定めたときは、当該事項について、作業の開始前に、関係労働者に周知させなければならない。
  • 第66条の3(外れ止め装置の使用)
    • 事業者は、移動式クレーンを用いて荷をつり上げるときは、外れ止め装置を使用しなければならない。
  • 第67条(特別の教育)
    • 事業者は、つり上げ荷重が一トン未満の移動式クレーンの運転(道路交通法(昭和35年法律第105号)第二条第一項第一号の道路上を走行させる運転を除く。)の業務に労働者を就かせるときは、当該労働者に対し、当該業務に関する安全のための特別の教育を行わなければならない。
    • 2 前項の特別の教育は、次の科目について行わなければならない。
      一 移動式クレーンに関する知識
      二 原動機及び電気に関する知識
      三 移動式クレーンの運転のために必要な力学に関する知識
      四 関係法令
      五 移動式クレーンの運転
      六 移動式クレーンの運転のための合図
    • 3 安衛則第37条及び第38条並びに前2項に定めるもののほか、第1項の特別の教育に関し必要な事項は、厚生労働大臣が定める。
  • 第68条(就業制限)
    • 事業者は、令第20条第7号に掲げる業務については、移動式クレーン運転士免許を受けた者でなければ、当該業務に就かせてはならない。ただし、つり上げ荷重が1トン以上5トン未満の移動式クレーン(以下「小型移動式クレーン」という。)の運転の業務については、小型移動式クレーン運転技能講習を修了した者を当該業務に就かせることができる。
  • 第69条(過負荷の制限)
    • 事業者は、移動式クレーンにその定格荷重をこえる荷重をかけて使用してはならない。
  • 第70条(傾斜角の制限)
    • 事業者は、移動式クレーンについては、移動式クレーン明細書に記載されているジブの傾斜角(つり上げ荷重が3トン未満の移動式クレーンにあつては、これを製造した者が指定したジブの傾斜角)の範囲をこえて使用してはならない。
  • 第70条の2(定格荷重の表示等)
    • 事業者は、移動式クレーンを用いて作業を行うときは、移動式クレーンの運転者及び玉掛けをする者が当該移動式クレーンの定格荷重を常時知ることができるよう、表示その他の措置を講じなければならない。
  • 第70条の3(使用の禁止)
    • 事業者は、地盤が軟弱であること、埋設物その他地下に存する工作物が損壊するおそれがあること等により移動式クレーンが転倒するおそれのある場所においては、移動式クレーンを用いて作業を行つてはならない。ただし、当該場所において、移動式クレーンの転倒を防止するため必要な広さ及び強度を有する鉄板等が敷設され、その上に移動式クレーンを設置しているときは、この限りでない。
  • 第70条の4(アウトリガーの位置)
    • 事業者は、前条ただし書の場合において、アウトリガーを使用する移動式クレーンを用いて作業を行うときは、当該アウトリガーを当該鉄板等の上で当該移動式クレーンが転倒するおそれのない位置に設置しなければならない。
  • 第70条の5(アウトリガー等の張り出し)
    • 事業者は、アウトリガーを有する移動式クレーン又は拡幅式のクローラを有する移動式クレーンを用いて作業を行うときは、当該アウトリガー又はクローラを最大限に張り出さなければならない。ただし、アウトリガー又はクローラを最大限に張り出すことができない場合であつて、当該移動式クレーンに掛ける荷重が当該移動式クレーンのアウトリガー又はクローラの張り出し幅に応じた定格荷重を下回ることが確実に見込まれるときは、この限りでない。
  • 第71条(運転の合図)
    • 事業者は、移動式クレーンを用いて作業を行なうときは、移動式クレーンの運転について一定の合図を定め、合図を行なう者を指名して、その者に合図を行なわせなければならない。ただし、移動式クレーンの運転者に単独で作業を行なわせるときは、この限りでない。
    • 2 前項の指名を受けた者は、同項の作業に従事するときは、同項の合図を行なわなければならない。
    • 3 第1項の作業に従事する労働者は、同項の合図に従わなければならない。
  • 第72条(搭乗の制限)
    • 事業者は、移動式クレーンにより、労働者を運搬し、又は労働者をつり上げて作業させてはならない。
  • 第73条
    • 事業者は、前条の規定にかかわらず、作業の性質上やむを得ない場合又は安全な作業の遂行上必要な場合は、移動式クレーンのつり具に専用のとう乗設備を設けて当該とう乗設備に労働者を乗せることができる。
    • 2 
      事業者は、前項のとう乗設備については、墜落による労働者の危険を防止するため次の事項を行なわなければならない。
      一 とう乗設備の転位及び脱落を防止する措置を講ずること。
      二 労働者に安全帯等を使用させること。
      三 とう乗設備ととう乗者との総重量の1.3倍に相当する重量に500キログラムを加えた値が、当該移動式クレーンの定格荷重をこえないこと。
      四 とう乗設備を下降させるときは、動力下降の方法によること。
    • 3 労働者は、前項の場合において安全帯等の使用を命じられたときは、これを使用しなければならない。
  • 第74条(立入禁止)
    • 事業者は、移動式クレーンに係る作業を行うときは、当該移動式クレーンの上部旋回体と接触することにより労働者に危険が生ずるおそれのある箇所に労働者を立ち入らせてはならない。
  • 第74条の2
    • 事業者は、移動式クレーンに係る作業を行う場合であつて、次の各号のいずれかに該当するときは、つり上げられている荷(第六号の場合にあつては、つり具を含む。)の下に労働者を立ち入らせてはならない。
      一 ハッカーを用いて玉掛けをした荷がつり上げられているとき。
      二 つりクランプ一個を用いて玉掛けをした荷がつり上げられているとき。
      三 ワイヤロープ等を用いて一箇所に玉掛けをした荷がつり上げられているとき(当該荷に設けられた穴又はアイボルトにワイヤロープ等を通して玉掛けをしている場合を除く。)。
      四 複数の荷が一度につり上げられている場合であつて、当該複数の荷が結束され、箱に入れられる等により固定されていないとき。
      五 磁力又は陰圧により吸着させるつり具又は玉掛用具を用いて玉掛けをした荷がつり上げられているとき。
      六 動力下降以外の方法により荷又はつり具を下降させるとき。
  • 第74条の3(強風時の作業中止)
    • 事業者は、強風のため、移動式クレーンに係る作業の実施について危険が予想されるときは、当該作業を中止しなければならない。
  • 第74条の4(強風時における転倒の防止)
    • 事業者は、前条の規定により作業を中止した場合であつて移動式クレーンが転倒するおそれのあるときは、当該移動式クレーンのジブの位置を固定させる等により移動式クレーンの転倒による労働者の危険を防止するための措置を講じなければならない。
  • 第75条(運転位置からの離脱の禁止)
    • 事業者は、移動式クレーンの運転者を、荷をつつたままで、運転位置から離れさせてはならない。
    • 2 前項の運転者は、荷をつつたままで、運転位置を離れてはならない。
  • 第75条の2(ジブの組立て等の作業
    • 業者は、移動式クレーンのジブの組立て又は解体の作業を行うときは、次の措置を講じなければならない。
      一 作業を指揮する者を選任して、その者の指揮の下に作業を実施させること。
      二 作業を行う区域に関係労働者以外の労働者が立ち入ることを禁止し、かつ、その旨を見やすい箇所に表示すること。
      三 強風、大雨、大雪等の悪天候のため、作業の実施について危険が予想されるときは、当該作業に労働者を従事させないこと。
    • 2 事業者は、前項第一号の作業を指揮する者に、次の事項を行わせなければならない。
      一 作業の方法及び労働者の配置を決定し、作業を指揮すること。
      二 材料の欠点の有無並びに器具及び工具の機能を点検し、不良品を取り除くこと。
      三 作業中、安全帯等及び保護帽の使用状況を監視すること。

第3節 定期自主検査等


  • 第76条(定期自主検査)
    • 事業者は、移動式クレーンを設置した後、1年以内ごとに1回、定期に、当該移動式クレーンについて自主検査を行なわなければならない。ただし、1年をこえる期間使用しない移動式クレーンの当該使用しない期間においては、この限りでない。
    • 2 事業者は、前項ただし書の移動式クレーンについては、その使用を再び開始する際に、自主検査を行なわなければならない。
    • 3 事業者は、前2項の自主検査においては、荷重試験を行わなければならない。ただし、当該自主検査を行う日前2月以内に第81条第一項の規定に基づく荷重試験を行つた移動式クレーン又は当該自主検査を行う日後2月以内に移動式クレーン検査証の有効期間が満了する移動式クレーンについては、この限りでない。
    • 4 前項の荷重試験は、移動式クレーンに定格荷重に相当する荷重の荷をつつて、つり上げ、旋回、走行等の作動を定格速度により行なうものとする。
  • 第77条
    • 事業者は、移動式クレーンについては、1月以内ごとに1回、定期に、次の事項について自主検査を行なわなければならない。ただし、1月をこえる期間使用しない移動式クレーンの当該使用しない期間においては、この限りでない。
      一 巻過防止装置その他の安全装置、過負荷警報装置その他の警報装置、ブレーキ及びクラツチの異常の有無
      二 ワイヤロープ及びつりチエーンの損傷の有無
      三 フツク、グラブバケツト等のつり具の損傷の有無
      四 配線、配電盤及びコントローラーの異常の有無
    • 2 事業者は、前項ただし書の移動式クレーンについては、その使用を再び開始する際に、同項各号に掲げる事項について自主検査を行なわなければならない。
  • 第78条(作業開始前の点検)
    • 事業者は、移動式クレーンを用いて作業を行なうときは、その日の作業を開始する前に、巻過防止装置、過負荷警報装置その他の警報装置、ブレーキ、クラツチ及びコントローラーの機能について点検を行なわなければならない。
  • 第79条(自主検査の記録)
    • 事業者は、この節に定める自主検査の結果を記録し、これを3年間保存しなければならない。
  • 第80条(補修)
    • 事業者は、この節に定める自主検査又は点検を行なつた場合において、異常を認めたときは、直ちに補修しなければならない。

第4節 性能検査


  • 第81条(性能検査)
    • 移動式クレーンに係る性能検査においては、移動式クレーンの各部分の構造及び機能について点検を行なうほか、荷重試験を行なうものとする。
    • 2 第76条第4項の規定は、前項の荷重試験について準用する。
  • 第82条(性能検査の申請等)
    • 移動式クレーンに係る性能検査(法第53条の3において準用する法第53条の2第1項の規定により労働基準監督署長が行うものに限る。)を受けようとする者は、移動式クレーン性能検査申請書(様式第11号)を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。
  • 第83条(性能検査を受ける場合の措置)
    • 第56規定(同条第1項第2号中安定度試験に関する部分を除く。)は、前条の移動式クレーンに係る性能検査を受ける場合について準用する。この場合において、第56条第2項中「所轄都道府県労働局長」とあるのは、「所轄労働基準監督署長」と読み替えるものとする。
  • 第84条(検査証の有効期間の更新)
    • 登録性能検査機関は、移動式クレーンに係る性能検査に合格した移動式クレーンについて、移動式クレーン検査証の有効期間を更新するものとする。この場合において、性能検査の結果により2年未満又は2年を超え3年以内の期間を定めて有効期間を更新することができる。
  • 第84条の2(労働基準監督署長が性能検査の業務を行う場合における規定の適用)
    • 法第53条の3において準用する法第53条の2第1項の規定により労働基準監督署長が移動式クレーンに係る性能検査の業務の全部又は一部を自ら行う場合における前条の規定の適用については、同条中「登録性能検査機関」とあるのは「所轄労働基準監督署長又は登録性能検査機関」とする。

第5節 変更・休止・廃止等


  • 第85条(変更届)
    • 設置されている移動式クレーンについて、次の各号のいずれかに掲げる部分を変更しようとする事業者が、法第88条第1項の規定による届出をしようとするときは、移動式クレーン変更届(様式第12号)に移動式クレーン検査証及び変更しようとする部分(第五号に掲げるものを除く。)の図面を添えて、所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。
      一 ジブその他の構造部分
      二 原動機
      三 ブレーキ
      四 つり上げ機構
      五 ワイヤロープ又はつりチエーン
      六 フツク、グラブバケツト等のつり具
      七 台車
    • 2 第5条第2項の規定は、前項の規定による届出をする場合について準用する。この場合において、同条第二項中「クレーン」とあるのは、「移動式クレーン」と読み替えるものとする。
    • 3 事業者(法第88条第1項本文の事業者を除く。)は、移動式クレーンについて、第1項各号のいずれかに掲げる部分を変更しようとするときは、同条第2項において準用する同条第一項の規定により、移動式クレーン変更届(様式第12号)に第一項の検査証及び図面を添えて、所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。
  • 第86条(変更検査)
    • 前条第1項第1号又は第7号に該当する部分に変更を加えた者は、法第38条第3項の規定により、当該移動式クレーンについて、所轄労働基準監督署長の検査を受けなければならない。ただし、所轄労働基準監督署長が当該検査の必要がないと認めた移動式クレーンについては、この限りでない。
    • 2 第55条第2項から第4項までの規定は、前項の規定による検査(以下この節において「変更検査」という。)について準用する。
    • 3 変更検査を受けようとする者は、移動式クレーン変更検査申請書(様式第13号)を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。この場合において、認定を受けたことにより前条第1項又は第3項の届出をしていないときは、同条第1項の検査証及び図面その他変更検査に必要な書面を添付するものとする。
  • 第87条(変更検査を受ける場合の措置)
    • 第56条の規定は、変更検査を受ける場合について準用する。この場合において同条第2項中「所轄都道府県労働局長」とあるのは、「所轄労働基準監督署長」と読み替えるものとする。
  • 第88条(検査証の裏書)
    • 所轄労働基準監督署長は、変更検査に合格した移動式クレーン又は第86条第1項ただし書の移動式クレーンについて、当該移動式クレーン検査証に検査期日、変更部分及び検査結果について裏書を行なうものとする。
  • 第89条(休止の報告)
    • 移動式クレーンを設置している者が移動式クレーンの使用を休止しようとする場合において、その休止しようとする期間が移動式クレーン検査証の有効期間を経過した後にわたるときは、当該移動式クレーン検査証の有効期間中にその旨を所轄労働基準監督署長に報告しなければならない。ただし、認定を受けた事業者については、この限りでない。
  • 第90条(使用再開の検査)
    • 使用を休止した移動式クレーンを再び使用しようとする者は、法第38条第3項の規定により、当該移動式クレーンについて、所轄労働基準監督署長の検査を受けなければならない。
    • 2 第55条第二項から第四項までの規定は、前項の規定による検査(以下この節において「使用再開検査」という。)について準用する。
    • 3 使用再開検査を受けようとする者は、移動式クレーン使用再開検査申請書(様式第十四号)を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。
  • 第91条(使用再開検査を受ける場合の措置)
    • 第56条の規定は、使用再開検査を受ける場合について準用する。この場合において、同条第二項中「所轄都道府県労働局長」とあるのは、「所轄労働基準監督署長」と読み替えるものとする。
  • 第92条(検査証の裏書)
    • 所轄労働基準監督署長は、使用再開検査に合格した移動式クレーンについて、当該移動式クレーン検査証に検査期日及び検査結果について裏書を行なうものとする。
  • 第93条(検査証の返還)
    • 移動式クレーンを設置している者が当該移動式クレーンについて、その使用を廃止したとき、又はつり上げ荷重を三トン未満に変更したときは、その者は、遅滞なく、移動式クレーン検査証を所轄労働基準監督署長に返還しなければならない。

第8章 玉掛け


第1節 玉掛用具
  • 第213条(玉掛け用ワイヤーロープの安全係数)
    • 事業者は、クレーン、移動式クレーン又はデリックの玉掛用具であるワイヤロープの安全係数については、六以上でなければ使用してはならない。
    • 2 前項の安全係数は、ワイヤロープの切断荷重の値を、当該ワイヤロープにかかる荷重の最大の値で除した値とする。
  • 第213条の2(玉掛け用吊チェンの安全係数)
    • 事業者は、クレーン、移動式クレーン又はデリックの玉掛用具であるつりチェーンの安全係数については、次の各号に掲げるつりチェーンの区分に応じ、当該各号に掲げる値以上でなければ使用してはならない。事業者は、クレーン、移動式クレーン又はデリックの玉掛用具であるつりチェーンの安全係数については、次の各号に掲げるつりチェーンの区分に応じ、当該各号に掲げる値以上でなければ使用してはならない。
      一 次のいずれにも該当するつりチェーン 四
      イ 切断荷重の2分の1の荷重で引つ張つた場合において、その伸び0.5パーセント以下のものであること。
      ロ その引張強さの値が400ニュートン毎平方ミリメートル以上であり、かつ、その伸びが、次の表の上欄に掲げる引張強さの値に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる値以上となるものであること。
          引っ張り強さ400N/?以上630N/?未満 ⇒ 伸び20%
          引っ張り強さ630N/?以上1000N/?未満 ⇒ 伸び17%
           引っ張り強さ1000N/?以上 ⇒ 伸び15%
    • 2 前項の安全係数は、つりチェーンの切断荷重の値を、当該つりチェーンにかかる荷重の最大の値で除した値とする
  • 第214条(玉掛け用フック等の安全係数)
    • 事業者は、クレーン、移動式クレーン又はデリツクの玉掛用具であるフツク又はシヤツクルの安全係数については、5以上でなければ使用してはならない。
    • 2 前項の安全係数は、フツク又はシヤックルの切断荷重の値を、それぞれ当該フツク又はシヤツクルにかかる荷重の最大の値で除した値とする。
  • 第215条(不適格なワイヤーロープの使用禁止)
    • 事業者は、次の各号のいずれかに該当するワイヤロープをクレーン、移動式クレーン又はデリツクの玉掛用具として使用してはならない。
      一 ワイヤロープ一よりの間において素線(フイラ線を除く。以下本号において同じ。)の数の10パーセント以上の素線が切断しているもの
      二 直径の減少が公称径の七パーセントをこえるもの
      三 キンクしたもの
      四 著しい形くずれ又は腐食があるもの
  • 第216条(不適格な吊チェンの使用禁止)
    • 事業者は、次の各号のいずれかに該当するつりチエーンをクレーン、移動式クレーン又はデリツクの玉掛用具として使用してはならない。
      一 伸びが、当該つりチエーンが製造されたときの長さの5パーセントをこえるもの
      二 リンクの断面の直径の減少が、当該つりチエーンが製造されたときの当該リンクの断面の直径の10パーセントをこえるもの
      三 き裂があるもの
  • 第217条(不適格なフック、ジャックル等の使用禁止)
    • 事業者は、フツク、シヤツクル、リング等の金具で、変形しているもの又はき裂があるものを、クレーン、移動式クレーン又はデリツクの玉掛用具として使用してはならない。
  • 第218条(不適格な繊維ロープ等の使用禁止)
    • 事業者は、次の各号のいずれかに該当する繊維ロープ又は繊維ベルトをクレーン、移動式クレーン又はデリツクの玉掛用具として使用してはならない。
      一 ストランドが切断しているもの
      二 著しい損傷又は腐食があるもの
  • 第219条(リングの具備等)
    • 事業者は、エンドレスでないワイヤロープ又はつりチエーンについては、その両端にフツク、シヤツクル、リング又はアイを備えているものでなければクレーン、移動式クレーン又はデリツクの玉掛用具として使用してはならない。
    • 2 前項のアイは、アイスプライス若しくは圧縮どめ又はこれらと同等以上の強さを保持する方法によるものでなければならない。この場合において、アイスプライスは、ワイヤロープのすべてのストランドを三回以上編み込んだ後、それぞれのストランドの素線の半数の素線を切り、残された素線をさらに二回以上(すべてのストランドを四回以上編み込んだ場合には一回以上)編み込むものとする。
  • 第219条の2(使用の範囲)
    • 業者は、磁力若しくは陰圧により吸着させる玉掛用具、チェーンブロック又はチェーンレバーホイスト(以下この項において「玉掛用具」という。)を用いて玉掛けの作業を行うときは、当該玉掛用具について定められた使用荷重等の範囲で使用しなければならない。
    • 2 業者は、つりクランプを用いて玉掛けの作業を行うときは、当該つりクランプの用途に応じて玉掛けの作業を行うとともに、当該つりクランプについて定められた使用荷重等の範囲で使用しなければならない。
条文

バナースペース

移動式クレーンの辞典

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