排出ガス対策型建設機械指定要領

目的)
第1 本要領は、「建設機械に関する技術指針」(平成3年10月8日付け建設省経機発第247号)第6章第1項に基づき、排出ガス対策型建設機械、トンネル工事用排出ガス対策型建設機械の指定および排出ガス対策型エンジン、排出ガス対策型黒煙浄化装置の認定に関し必要な事項を定めることを目的とする。


(定義)

第2 排出ガス対策型エンジンとは、排出ガス対策型建設機械及びトンネル工事用排出ガス対策型建設機械の指定にあたり、搭載が義務付けられているものをいう。
2 排出ガス対策型黒煙浄化装置とは、トンネル工事用排出ガス対策型建設機械の指定にあたり、装着が義務付けられているものをいう。


(ファミリの取扱い)
第3 排出ガス対策型エンジンのエンジンファミリは、別に定めるところにより取り扱うものとする。
2 排出ガス対策型黒煙浄化装置のファミリ黒煙浄化装置は、別に定めるところにより取り扱うものとする。

 
(エンジンの認定の申請)
第4 エンジンの供給を行うことを業とする者で排出ガス対策型エンジンの認定を受けようとする者は、別に定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を国土交通省大臣官房技術審議官に提出するものとする。
  一 氏名又は名称及び住所
  二 エンジンのモデルの名称
  三 エンジンの概要
  四 エンジンファミリの構成
  五 排出ガスの申請値
2 前項の申請書には、排出ガスの申請値に関する書類として、別に定めるところにより、別に定める要件を満たした第三者機関の排出ガスに関する評定書、エンジンファミリの性能範囲、排出ガス測定エンジンの性能、排出ガス測定記録表、排出ガス対策型エンジン仕様書、排出ガス対策型エンジン識別届、対策内容説明書及び生産管理方法届を添付するものとする。
3 認定申請を行うエンジンが、他者が供給するエンジンと同一のもの(当該エンジンについて既に第1項の規定による認定の申請がされているものに限る。)であるときは、前項に定めるところに関わらず、別に定めるところにより、排出ガス対策型エンジン同一証明書、排出ガス対策型エンジン仕様書及び排出ガス対策型エンジン識別届を添付するものとする。
4 認定申請を行うエンジンが、他者と共同で供給しようとするもの(当該エンジンについて既に第1項の規定による認定の申請がされているものに限る。)であるときは、第2項に定めるところに関わらず、別に定めるところにより、排出ガス対策型エンジン同一証明書、排出ガス対策型エンジン仕様書、排出ガス対策型エンジン識別届及び生産管理方法届を添付するものとする。
 
(エンジンの認定)
第5 国土交通省大臣官房技術審議官は、第4第1項五の排出ガスの申請値が別表1又は別表2に掲げる値以下である場合、当該エンジンに対して排出ガス対策型エンジンの認定を行うものとする。この場合において、エンジンの出力仕様が複数あるいは範囲を有し、上記の別表で定める出力区分をまたぐ場合には、高い側の出力区分の基準値を適用するものとする。
2 国土交通省大臣官房技術審議官は、前項の規定による認定を行ったときは、認定したエンジン(以下「認定エンジン」という。)の認定番号と認定内容を申請者に文書で通知するものとする。
3 国土交通省大臣官房技術審議官は、前項の認定エンジンのうち、第4第1項五の排出ガスの申請値が別表2に掲げる値以下であるエンジンについては、第2次基準値に適合した旨を申請者に文書で通知するものとする。


(エンジンの認定をしない場合)

第6 国土交通省大臣官房技術審議官は、第5第1項で定めるところに関わらず、第4第1項の規定による認定の申請があったものについて、申請書若しくはその添付書類中の重要な事項について虚偽の記載があるとき若しくは重要な事実の記載が欠けているとき又は第4第2項の規定により申請書に添付した評定書を発行した第三者機関が同項の別に定める要件を満たしていないときは、認定をしないものとする。
2 国土交通省大臣官房技術審議官は、第4第1項の規定による認定の申請があったものについて認定をしない場合は、理由を付してその旨を申請者に文書で通知するものとする。
 
(エンジンの認定申請書記載内容の変更)
第7 認定を受けた者は、第4第1項の認定申請書記載事項一に変更が生じた場合は、別に定めるところにより、変更届を国土交通省大臣官房技術審議官に届けなければならない。
2 認定を受けた者は、第4第1項の認定申請書記載事項二又は三に変更が生じた場合は、あらためて同項の規定による申請を行うものとする。
3 認定を受けた者は、第4第1項の認定申請書記載事項四に変更が生じた場合(出力仕様の追加、又は出力範囲の拡大)は、第4第2項に規定する書類を添付して、別に定めるところにより、変更申請書を国土交通省大臣官房技術審議官に提出するものとする。
4 国土交通省大臣官房技術審議官は、前項の規定による変更申請があったものについて、受理した変更内容を認定申請者に文書で通知するものとする。


(黒煙浄化装置の認定の申請)

第8 黒煙浄化装置の供給を行うことを業とする者で排出ガス対策型黒煙浄化装置の認定を受けようとする者は、別に定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を国土交通省大臣官房技術審議官に提出するものとする。
  一 氏名又は名称及び住所
  二 黒煙浄化装置の名称
  三 黒煙浄化装置の概要
  四 排出ガスの測定値
2 前項の申請書には、別に定めるところにより、第4第2項に規定する第三者機関の排出ガスに関する評定書、測定記録表、排出ガス対策型黒煙浄化装置仕様書、低減方式説明書及び構造図を添付するものとする。
3 認定申請を行う黒煙浄化装置が、他者が供給する黒煙浄化装置と同一のもの(当該黒煙浄化装置について既に第1項の規定による認定の申請がされているものに限る。)又は他者と共同で供給しようとするもの(当該黒煙浄化装置について既に第1項の規定による認定の申請がされているものに限る。)であるときは、前項に定めるところに関わらず、別に定めるところにより、排出ガス対策型黒煙浄化装置同一証明書及び排出ガス対策型黒煙浄化装置仕様書を添付するものとする。
 
(黒煙浄化装置の認定)
第9 国土交通省大臣官房技術審議官は、第8第1項四の排出ガスの測定値が別表3の基準を満たしている場合、当該黒煙浄化装置に対して排出ガス対策型黒煙浄化装置の認定を行うものとする。
2 国土交通省大臣官房技術審議官は、前項の規定による認定を行ったときは、認定した黒煙浄化装置(以下「認定黒煙浄化装置」という。)の認定番号と認定した旨を申請者に文書で通知するものとする。


(黒煙浄化装置の認定をしない場合)

第10 国土交通省大臣官房技術審議官は、第9第1項で定めるところに関わらず、第8第1項の規定による認定の申請があったものについて、申請書若しくはその添付書類中の重要な事項について虚偽の記載があるとき若しくは重要な事実の記載が欠けているとき又は第8第2項の規定により申請書に添付した評定書を発行した第三者機関が第4第2項の別に定める要件を満たしていないときは、認定をしないものとする。
2 国土交通省大臣官房技術審議官は、第8第1項の規定による認定の申請があったものについて認定をしない場合は、理由を付してその旨を申請者に文書で通知するものとする。


(黒煙浄化装置の認定申請書記載内容の変更)

第11 認定を受けた者は、第8第1項の認定申請書記載事項一に変更が生じた場合は、別に定めるところにより、変更届を国土交通省大臣官房技術審議官に届けなければならない。
2 認定を受けた者は、第8第1項の認定申請書記載事項二、三又は四に変更が生じた場合は、あらためて同項の規定による申請を行うものとする。
 
(建設機械の指定の申請)
第12 建設機械の供給を行うことを業とする者で排出ガス対策型建設機械の指定を受けようとする者は、別に定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を国土交通省大臣官房技術審議官に提出するものとする。
  一 氏名又は名称及び住所
  二 建設機械の名称及び型式
  三 建設機械の概要
  四 建設機械搭載エンジンの名称及び認定番号
2 建設機械の供給を行うことを業とする者でトンネル工事用排出ガス対策型建設機械の指定を受けようとする者は、別に定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を国土交通省大臣官房技術審議官に提出するものとする。
  一 氏名又は名称及び住所
  二 建設機械の名称及び型式
  三 建設機械の概要
  四 建設機械搭載エンジンの名称及び認定番号
  五 建設機械装着黒煙浄化装置の名称及び認定番号
3 申請する建設機械の搭載エンジンが認定の申請中である場合は、第1項又は第2項の指定申請書記載事項四中の認定番号の記載に代わり、搭載エンジンについての第4第1項の申請書の写しを添付するものとする。
4 申請する建設機械の装着黒煙浄化装置が認定の申請中である場合は、第2項の指定申請書記載事項五中の認定番号の記載に代わり、装着黒煙浄化装置についての第8第1項の申請書の写しを添付するものとする。
5 第1項又は第2項の申請書には、別に定めるところにより、搭載エンジン認定確認書、申請する機械の写真、仕様書及びカタログを添付するものとする。
6 指定申請を行う建設機械が、他者が供給する建設機械と同一のもの(当該建設機械について既に第1項又は第2項の規定による指定の申請がされているものに限る。)又は他者と共同で供給しようとするもの(当該建設機械について既に第1項又は第2項の規定による指定の申請がされているものに限る。)であるときは、前項に定めるところに関わらず、別に定めるところにより、排出ガス対策型建設機械同一証明書、申請する機械の写真、仕様書及びカタログを添付するものとする。
 
(建設機械の指定)
第13 国土交通省大臣官房技術審議官は、第12第1項の規定による指定の申請があった場合においては次の各号の一を満足する建設機械を排出ガス対策型建設機械として、第12第2項の規定による指定の申請があった場合においては次の各号を全て満足する建設機械をトンネル工事用排出ガス対策型建設機械として指定するものとする。
  一 認定エンジンを搭載していること。
  二 認定黒煙浄化装置を装着していること。
2 国土交通省大臣官房技術審議官は、前項の規定による指定を行ったときは、指定した建設機械(以下「指定建設機械」という。)の指定番号と指定した旨を申請者に文書で通知するものとする。
3 国土交通省大臣官房技術審議官は、前項の指定建設機械のうち、搭載されている認定エンジンが第2次基準値に適合している建設機械については、第2次基準値に適合した旨を申請者に文書で通知するものとする。 

(自動車の特例)

第14 道路運送車両法で規定する道路運送車両の保安基準により一酸化炭素、炭化水素、窒素酸化物、粒子状物質及び黒煙の規制が行われている自動車の種別で自動車登録番号標を取り付けるものは、第13第1項の規定による指定の対象としないものとする。


(建設機械の指定申請書記載内容の変更)

第15 指定を受けた者は、第12第1項又は第2項の指定申請書記載事項一、二又は三に変更が生じた場合は、別に定めるところにより、変更届を国土交通省大臣官房技術審議官に届けなければならない。
2 指定を受けた者は、第12第1項又は第2項の指定申請書記載事項四又は五に変更が生じた場合は、あらためて第12第1項又は第2項の規定による申請を行うものとする。


(指定建設機械の報告)

第16 指定を受けた者は、当該指定建設機械に関し、毎年3月31日現在の累計販売台数、及び製造を中止した指定建設機械の指定番号とその年月日を、翌4月末日までに国土交通省大臣官房技術審議官へ報告するものとする。


(認定又は指定の取消し)

第17 国土交通省大臣官房技術審議官は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、認定又は指定を取り消すことができるものとする。ただし、三については、エンジン認定時に用いた別表を用いるものとする。
  一 認定又は指定を受けた者がそれぞれ認定又は指定の取り消しを申請したとき。
  二 偽りその他不正の手段により認定又は指定を受けたことが判明したとき。
  三 生産段階における認定エンジンの排出ガス成分の量の平均値が別表1または別表2の基準値より大きいとき又は黒煙の最大値が別表1または別表2の基準値より大きい値が発生するとき。
  四 認定エンジンに重大な欠陥が認められたとき。
  五 認定黒煙浄化装置に重大な欠陥が認められたとき。
  六 製造が中止された後、一定の耐用年数が経過したとき。
2 国土交通省大臣官房技術審議官は、認定又は指定を取り消したときは、それぞれ認定又は指定を受けた者に対し認定又は指定を取り消した理由を付して、その旨を申請者に文書で通知するものとする。
 
(評定の失効)
第18 第4第2項に定める第三者機関が、同項及び第8第2項の評定書の重要な事項について虚偽の記載をした場合は、国土交通省大臣官房技術審議官は、当該評定書を無効にするとともに、当該第三者機関から過去に評定書の発行を受けた認定エンジン又は認定黒煙浄化装置の申請者に対し、当該認定エンジン又は認定黒煙浄化装置の排出ガスに関する評定書の再提出を求めることができる。
 
(指定建設機械の表示)
第19 指定建設機械には、別記−1号の指定ラベルを側面の見やすい箇所に表示することができる。
2 指定建設機械のうち、第2次基準値に適合するものとして認定を受けたエンジンを搭載するものについては、前項のラベルに代えて別記−2号の指定ラベルを表示することができる。


(検討委員会)

第20 国土交通省大臣官房技術審議官は、指定要件等の検討を行うため建設機械に関し学識経験を有する者のうちから委員を委嘱する。
2 委員の数は10名以内とする。    

   附 則(平成3年10月8日 建設省経機発第249号)
 この要領は、平成4年1月1日から施行する。   
   附 則(平成12年12月25日 建設省経機発第118号) 
 改正後の要領は平成13年4月1日から施行する。  
   附 則(平成13年3月30日 国総施第51号) 
 改正後の要領は平成13年4月1日から施行する。
   附 則(平成14年4月1日 国総施第225号)
 第1 第5で定めるところによるエンジンの認定及び第13で定めるところによる建設機械の指定において、別表1を適用するものは、平成15年9月30日までに第4に定めるところによるエンジンの認定の申請及び第12で定めるところによる建設機械の指定の申請がなされたものに限る。
 第2 第5で定めるところにより認定されたエンジン及び第13で定めるところにより指定された建設機械において、別表1を適用したものは、平成16年9月1日までに製造されたものをそれぞれ排出ガス対策型エンジン及び排出ガス対策型建設機械として取り扱う。
 第3 第19で定めるところによる指定建設機械の表示において、別記−1号の指定ラベルによる表示は、平成16年9月1日までに製造された指定建設機械に限る。
 
 

       別表1

      対象物質(単位)
出力区分
  HC
(g/kW・h)
  NOx
(g/kW・h)
  CO
(g/kW・h)
  黒煙
  (%)
7.5〜15kW未満   2.4  12.4   5.7   50
15〜30kW未満   1.9  10.5   5.7   50
30〜272kW以下   1.3   9.2   5.0   50
 HC、NOx、COの測定方法、出力は、日本工業規格 JIS B 8008「往復動内燃機関−排気排出物測定−」による。
 黒煙の測定方法は、(社)日本建設機械化協会規格 JCMAS T 004-1995「建設機械用ディーゼルエンジン − 排出ガス測定方法」による。
 発動発電機専用エンジンの試験サイクルは、別に定める。

   別表2

     対象物質(単位)
出力区分
 HC
(g/kW・h)
 NOx
(g/kW・h)
 CO
(g/kW・h)
 PM
(g/kW・h)
 黒煙
 (%)
8〜19kW未満  1.5  9.0  5.0  0.8  40
19〜37kW未満  1.5  8.0  5.0  0.8  40
37〜75kW未満  1.3  7.0  5.0  0.4  40
75〜130kW未満  1.0  6.0  5.0  0.3  40
130〜560kW以下  1.0  6.0  3.5  0.2  40
 HC、NOx、CO、PMの測定方法、出力は、日本工業規格 JIS B 8008「往復動内燃機関−排気排出物測定−」による。
 黒煙の測定方法は、(社)日本建設機械化協会規格 JCMAS T 004-1995「建設機械用ディーゼルエンジン − 排出ガス測定方法」による。
 発動発電機専用エンジンの試験サイクルは、別に定める。

   別表3


(基準)
・黒煙について、定格点濃度、中間速度全負荷点濃度、過渡時濃度の各々が低減し、 かつ黒煙浄化装置装着前の最大値に対し装着後の最大値が1/5以下となること。
・黒煙浄化装置の装着により、増加量がHCは0.1g/kWh、COは0.3g/kWh、 NOxは  0.3g/kWhを超えないこと。

(測定方法)
 別に定める。