移動式クレーン等の送配電線類への接触による感電災害の防止対策について |
基発第759号 昭和50年12月17日
建設工事等の屋外作業において、移動式クレーン、くい打機、機械素材装置等(以下「移動式クレーン等」という。)
を送電線、配電線、電卓用鎖電線等(以下「送配電線類」という。)に近接する場所で使用中に、その機体、ワイヤー ロープ等が送配電線類に接触して起こる感電災害が依然として跡を絶たない。加えて、感電災害は死亡率が極めて 高いこと、都市の過密化及び周辺地域の市街化の促進等により不意の停電事態が惹起する社会的混乱の度合いも 増大していること等注目を要するとこれである。 ついては、この種類の災害防止の徹底を図るため、関係事業場の監督指導に当たっては、労働安全衛生規則第3 49条及び第570条第1項第6号に定める事項はもとより下記の事項に留意の上、その万全を期されたい。
記
1 送配電線類に対して安全な離隔距離を保つこと。 移動式クレーンの機体、ワイヤーロープ等と送配電線類の充電部分との離隔距離を、次の表の左欄に掲げる電 の電圧に応じ、それぞれ同表の右欄に定める値以上とするよう指導すること。
電路の電圧 |
離隔距離 |
特別高圧 |
2m。ただし60,000V以上は10,000V又はその端数を増すごとに20cm増し。 |
高 圧 |
1.2m |
低 圧 |
1m |
なお、移動式クレーン等機体、ワイヤーロープ等が目測上の誤差等によりこの離隔距離内に入ることを防止する
ために、移動式クレーン等の行動範囲を規制するための木柵、移動式クレーン等のジブ等の行動範囲を制限す
るためのゲート等を設けることが望ましい。
2 監視責任者を配置すること。
移動式クレーン等を使用する作業について適確な作業指揮をとることができる監視責任者を当該作業現場に配 置し、安全な作業の遂行に努めること。
3 作業計画の事前打合せをすること。
この種作業の作業計画の作成に当たっては、事前に電力会社等送配電線類の所有者と作業の日程、方法、防 護措置、監視の方法、送配電線類の所有者の立会い等について、十分打ち合わせするように努めること。
4 関係作業者に対し、作業標準を周知徹底させること。 関係作業者に対して、感電の危険性を十分に周知徹底させるとともに、その作業標準を定め、これにより作業が 行われるよう必要な指導を行うこと。 |
|
|